こんにちは、RPA推進事業部です。
RPAは現代社会における働き手不足を解決する手段の一つして注目されるITソリューションです。ですが、RPAはシステム開発ではないことから「だれでも簡単に作れる」と言って、導入後にうまくいかない事例は数多く見られます。本記事である第三回目の記事を「一般的なRPA導入の進め方」、第四回目の記事を「RPA開発における留意点」に分けてご紹介していきます。
目次
- RPA導入の進め方
- RPA開発における留意点(次回予定)
RPA導入の進め方
PRAは人が行っていた定型業務を自動化し、オペレーションミスを減らす等、無駄なコストを抑えることができるITソリューションです。しかし、導入の進め方を誤ると自動化したい業務の自動化作業に行き詰まったり、結果的に費用対効果につながらないケースも多く発生します。ここでは、RPAの導入について一般的な進め方とRPAベンダーとしての所感や留意点を踏まえながらご紹介をしていきたいと思います。
1.自動化対象業務の洗い出し
先ずは、自動化をするための候補となる業務を洗い出しましょう。業務の洗い出し粒度については、大項目・中項目・小項目と分けて落とし込むととても見やすくなります。次に、感覚的でも構いませんので、難易度を判断しながら自動化対象業務の優先度を決めていきます。難易度の判断は多様にありますが、例えば複雑な業務フローである場合や五月雨で発生することの多い業務、画面の項目の多さや階層の深さなどから判断をしてみます。RPAのアーキテクト的に実現可能かどうかはこの段階では一旦無視をしましょう。ある程度洗い出しが終わりましたら、実際にRPAベンダーへ相談することをお勧めします。
2.開発・運用方針について
RPAを自分たちで開発するのか、または開発は委託するのか方針を決めましょう。
ロボットの自社開発・・・自分たちでロボットを作成、たくさん勉強をする必要がある
ロボット開発を委託・・・Try and Errorや勉強の工数を減らせるが、費用面が心配
理想的な形で言えば、やはり最終的にはユーザー様の内製でRPAを開発・運用することがベストでしょう。RPA推進部門様が情報システム部門様であれば、開発・運用を社内で実施することは可能だと思いますが、正直な所感をあげると、自社の業務を効率化するためのロボットを作成するとなると、それなりにシステムに関する知識も併せて必要になり、業務部門様のみで実施をしようとすると失敗する確率は高くなると思われます。
当社で取り扱っている「RPA Solution for GRANDIT」は、ベースはイスラエル製のプロダクトとなっております。RPAの発祥も日本ではありませんので、向こう側の考え方の色はつよく、非常に安定したロボットを作成ができます。しかし業務部門様において取り扱いはなかなか難しいと感じております。
逆に国産RPAのようにローカライズされたシステムは、業務部門様でも作成ができるといったRPAの色が強いと感じていますが、その分安定性に欠けることや結局のところ作られるロボットのレンジが制限されてしまいます。そのため、自動化したい候補はあったものの自分たちでは思うように進まない、結果RPAを失敗してしまった、という事例や問い合わせを多くいただきます。
3.RPAの候補を絞りましょう
ある程度自動化をしたい対象業務やRPAを取り扱う方針が決まりましたら、実際のRPAベンダーと話しながら実現が可能なのかどうかを話していきましょう。一口にRPAと言ってもロボットの作り方や認識率、安定性、価格帯など様々なロボットが存在しますので、話の内容によっては当初定めた運用方針なども変えることも必要です。この段階でおおよそ、どういったRPAがあり、それぞれの特徴や金額感などが見えてくると思います。
4.PoCの検討
PoC(Proof of Concept)は概念実証を意味します。新規ビジネスや新技術(AIやRPA)など新しい概念や理論を取り入れる前に、要件の実現可能性があるかどうかを検証するフェーズです。大まかに表現すれば、システムを本番導入する前のトライアルと考えていただければ大丈夫です。PoCをいくつかの要素に分けることが可能です。
技術的実現性の検証・・・自動化したい業務要件が技術的に実現可能かどうか
具体性の検証 ・・・技術のみではなく、運用面も含め実現の具体性があるかどうか
効果・効用の検証 ・・・作成したロボットが業務を代行することで、投資対効果を発揮するかどうか
PoCは、どのRPAが自社の業務自動化に適するかを判断するために必要なフェーズです。しかし、小規模システムのトライアルなどと違い、自社メンバーだけですべてを対応するのは難しい場合もあり、特にRPAにおいてはベンダーがPoCをサービスとして提供しているケースが多くあります。
※当社で実施しているPoCサービスの詳細については、お問い合わせフォームよりお尋ねください。
ここまで進めましたら、RPAを本番導入し計画にそって業務を自動化していきます。ここまできても、RPAというシステムは実際に作ってみないと自動化できる・できないを判断できないケースがあります。そういった、常にTry and Errorを模索しながら進めていかなければいけないプロダクトであり、導入後も連携先のシステムやちょっとした仕様変更などでロボット側を修正しなければなりません。そこまで含めて自社ですべて対応をするのかどうかなども検討事項に入れる必要があります。しかし、RPA自体は非常に優秀なITソリューションですので、しっかりとRPAの本質と向き合って進めていけば、おのずと人手不足や人件費の削減・働き方改革につながっていくでしょう。
「RPA開発における留意点」の記事へ
次回の記事では、「RPA開発における留意点」についてご紹介します。RPAもそれぞれ特性が違いますので、ある程度共通項目として見られる留意点に絞ってご紹介をさせていただきます。
※弊社は、GRANDIT(株)の「RPA Solution for GRANDIT」における開発・販売パートナーです。
※RPAに関するお問い合わせがある場合は、下記よりお気軽にご相談ください。