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RPA導入におけるメリット・デメリット

RPA導入におけるメリット・デメリット

こんにちは、RPA推進事業部です。

今回のコラムでは、RPAの導入をご検討しているお客様・企業様に向けて、RPAが得意な領域と導入におけるメリット・デメリットをご紹介してまいります。

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目次

  1. RPAでできること
  2. RPA導入におけるメリット
  3. RPAのデメリット

RPAでできること

RPAは人間が行っている業務・処理をソフトウェアロボットが代行するツールの一種です。では、一般的にRPAではどういったことができるのかを例をあげながらご説明していきます。

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1.交通費精算

企業様によって交通費精算の運用は様々ですが、今回は交通費をExcelで管理している例をあげてみましょう。毎月、出発地/目的地/移動手段をExcelで管理し、経路検索サービスを利用して料金をExcelに入力している企業様をお見受けします。RPAを利用すると、あらかじめExcelに入力された条件(出発地/目的地/移動手段)をもとに経路検索サービスを立ち上げ、一番安いルートにIC料金を取得しExcelに返すことができます。

他にも、社員の定期申請などを例にあげると、事務のご担当者は社員から申請があった定期申請ルート/金額が正しいかを実際に経路検索サービスを立ち上げ目視で確認、問題がなければPDFに変換、情報が違っていれば該当の社員へメールや電話で連絡をし再申請をすることもあるでしょう。定期申請についても専用のワークフローシステムなどがあれば問題はないのですが、交通費申請システムを入れるだけでよいのであれば、すでに導入していることでしょう。導入していない理由は現状の運用でなんとかやりくりできてしまっているケースやシステムを導入してもなかなか費用対効果が生まれない可能性があります。その点、RPAであれば、交通費申請だけでなく、社内の自動化をする必要がある業務全般に適応することが可能です。

2.EDI受注連携

現在はECサイトなどが非常に充実していますが、企業間取引(B to B)においてEDI(Electronic Data Interchange)を利用するケースがとても増えています。当社も一部では、EDIを利用して見積や注文処理などを行っておりますが、あいにく販売管理システムと連携しているわけではありませんので、EDIで取得した内容を販売管理システムへ手入力を行ったりその逆もしかりで処理をしています。数本であれば問題ないのですが、これが何十本といった本数を処理するようであればとても大変な作業です。かといって、システム同士を連携するとなると、簡単にできるものでもなく相当なコストが発生するでしょう。こういった部分は特にRPAが適しているといえます。

3.経営層向け報告書作成業務


報告書.jpg総務や経理部門の方であれば、経営層に向けて報告書を作成するケースは多いでしょう。報告書のフォーマットも企業様によって様々ですが、企業全体の損益や部門ごと、プロジェクトごとの損益など、ERPやマーケティングシステム、SFA/CRMといった別のシステムからデータを引っ張り加工をするケースはとても多いと思われます。RPAを活用することで、これらの作業を自動化することが可能ですが、RPAにはRPAの得意な領域があり、逆にいえば他のシステムに任せるべき領域もあります。

この例でいうと、企業様に存在する各システムから日次や月次などの決まった時間、またはユーザーの意図する任意の時間にデータを抽出することはRPAは得意です。そのデータを加工し、報告書用のフォーマットにマージして転記するような場合は、例えばExcelのマクロなんかが得意とする領域でしょう。このように、RPAと他のシステムをそれぞれの特長を活かした形で業務効率化を図っていくことをお勧めします。

4.脆弱性情報の取得

当社でも取り組んでいる一部をご紹介します。当社は、システム開発・サービスを行う企業ですので、お客様に使っていただいているサービス(システム)がセキュリティホールがないかを毎日チェックしています。それは、システム開発会社であればすぐにお判りでしょうが、システム開発をするためのプログラミング言語やデータベース、フレームワークその他もろもろは、外部から提供されるリソースを使用してシステムを開発しております。それぞれのメーカーには、脆弱性情報がホームページで更新されるため、技術者は毎日ホームページを閲覧しにいき、脆弱性情報が更新されていればシステムにパッチを適応させます。アクセスするホームページは非常に多く、また、見に行って初めて、更新されているか、否かがわかります。こういった部分は、毎朝出社前に、ロボットがすべてのホームページを確認し、更新情報をExcelに転記することで、技術者は出社のタイミングでExcelを見れば、脆弱性が更新されているホームページだけを見に行けば済むようになります。

RPA導入におけるメリット

次に、RPAを導入したことによる企業のメリットをご紹介していきます。

1.コストメリット

RPAを導入することで、まず期待することはコストメリットでしょう。コストメリット.jpg
ご想像の通りで、RPAを導入することで顕著に費用対効果をだすことが可能です。RPAを導入することで人間が定例的に手作業で行っている処理はロボットで代替することが可能です。もちろん、ロボットにはライセンス費用は掛かりますし、実際にロボットを作成するための開発コストも必要となりますので、自社の自動化させたい業務数とロボットに関わる費用諸々をしっかりと検討する必要がございます。

ちなみに、ロボット自体は昼夜問わず、休日もシステムで設定をすればしっかりと働いてくれます。細かいことを言うと、給与・昇進・コミュニケーション不足・遅刻・ケアレスミス・パワハラなどが発生することもないですし、実際、人間が単純な作業を毎日繰り返していると、オペレーションミスも発生します。単純なコストメリットのみではなく、労働環境改善の補助をすることも可能です。

2.生産性の向上

 コストメリットにも通じるのですが、RPAは人の労力の何倍もの速度で業務を行うことが可能です。人間が何時間もかかってしまう処理もロボットであれば数十分で処理が完了することも可能です。人間のように疲労、集中力の欠如からケアレスミスをすることもありません。人間が実施しなければいけない業務は人間で行い、それ以外をRPAに任せることで、業務効率は促進され、業務全体の生産性も向上されていくでしょう。

3.リスクマネジメント

 人間が作業することのリスクより、RPAが作業することのリスクの方が圧倒的に低いと言えます。アクセスが許容されていないサイトへのアクセスやメールの誤送信など、疲れや集中力の欠如から、普段ではミスをしない人間でもミスをしてしまうことはあります。ロボットは、ロボットにルールを持たせておけばそれ以外のことは実施しませんので、間違えて機密情報を外部にもたらす心配もありません。

4.働き方改革の促進


働き方改革.jpg前回の記事でも書かせていただきましたが、RPAは新しい技術ではありません。働き方改革では、いくつもの施策が実施されていますが、やはり今後も大きな課題になってくるのは、人手不足には変わりはないでしょう。定例的な事務処理などの多くは、RPAだけではなく、システム開発をすれば済む話です。ですので、RPAについては、RPAでなくても開発で実現ができないか?といったお話は、システム業界・システム開発を行っている立場からはよく出てくる話です。


ではなぜ、これまで開発ができる部分を開発されていなかったのか、あくまでも私の個人の主観ですが、それは、システム開発をするにあたってのプライオリティが低いからです。システム開発部門様にも、対応すべき優先順位があります。
RPAで実現するシステム化の多くは、小さな業務であることが多く、システムを開発するにはそれなりの費用が掛かることからコストメリットを算出しなくかった、または、プライオリティの低い業務に中々開発に手が回らなかった、といったことが要因の1つであると認識しています。

ですが、RPAが出てきたことによって、RPAの技術で自動化ができる業務を検討すると、意外にも多いことに気づきます。それに、企業の立場としてみれば、RPAを導入することで社員はRPAを活用する必要がでてきます。働き方改革で業務改善とは言ったものの、当社では数値として結果が表れやすい施策はなんだろうか?と考えたときに、RPAを導入することで必然的に業務効率化のプロジェクトが立ち上がり、検討をし実施をしていくことになります。RPAは業務効率化を改めて考えるための、良いきっかけとなるツールであると私は理解しています。

RPAのデメリット

メリットがあるように、もちろんRPAにもデメリットがあります。企業それぞれの業務のあり方によってデメリットも様々ですが、よくお話にあがる例を踏まえてデメリットをご紹介してまいります。

1.決められたルール以外の処理はできない

RPAは、AIとは概念が違います。AIは多量のデータから正攻法を分析し、与えられた課題にたいして最良の結果を導きだすでしょう。ですが、RPAは人間がアウトプットもそのプロセスもすべてロジックとして組み込む必要があります。事前に組み込まれたロジックから外れるような例外的な作業は、現在のRPAではできません。

2.エマージェンシープラン

リスク.jpgRPAを導入することで、これまで人間が行っていた業務をRPAに引き渡すことになります。最初は問題がないように思えますが、人間は行っていない業務は少しずつ忘れていきます。もし、RPAが誤作動や思わぬ処理で止まってしまった場合、緊急であれば、何とかして対応しなければなりません。その際、その業務をだれも覚えていないようですと対応に非常に困るでしょう。これまでは専任の頭のなかにあったノウハウもできる限りドキュメント化しておいたほうがよいでしょうし、ロボットのつくりも、万が一に備えた作りこみが必要になります。

3.エラー

RPAは、ルールから外れた処理(手順)が実行された際、エラーメッセージが表示されたりロボットそのものが止まったりします。処理としては当然ですし、ルールを設けているのですから、処理結果としては当然でしょう。しかし、一番怖いのは、誤った値が入力されそのまま処理を通過してしまうケースです。これは、ロボットで防ぐのは難しいでしょう。インプットのデータが正しいということが前提の話になります。このようにロボットとうまくやっていくには、ロボットそのものの特性を理解することも大事になっていきます。

最後に

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以上で今回のコラムは終わりとさせていただきます。皆様のお役に少しでも立ちましたでしょうか?

一般的なメリット・デメリットとともに、少しRPAベンダーの立場から実際に声があった内容を記載させていただきましたが、企業様のあり方によってメリットもデメリットも少しずつ変わってくるでしょう。RPAを自社に導入した場合のメリット・デメリットをしっかりと考慮したうえで、導入をご検討することをお勧めします。


※弊社では、「RPA Solution for GRANDIT」の開発・販売を実施しております。
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