大阪本部、社会インフラ事業部のYです。
突然ですが、この記事をお読みの皆様はコミュニケーションアプリ「discord」についてご存知ですか?
長引く新型コロナの流行も、はや3年目。
「ステイホームを合言葉にオンラインでビジネスを、娯楽を」というのも、
今では当たり前になったのか、声高に叫ばれることが少なくなったように思います。
そんな中で大きな成長を遂げたのが、NetFlix等の動画配信サービス、NintendoSwitchに代表される各種ゲーム類。
そして「Zoom」「Windows Teams」に代表されるようなオンラインコミュニケーションアプリです。
コラボレーションツール(アプリ)、コミュニティアプリなどと呼ぶこともあります。
「discord」もまた、そうしたアプリのひとつです。
discordについては、過去の記事でも名前が上ることはありました。
しかし、それ自体の紹介はされていないようです。
そこで今日は、このdiscordについて紹介をさせていただこうと思います。
◆discordって?
まずは「discordって何?」という話からですが、先に述べた通り、コミュニケーションアプリというのが答えになります。
なぜチャットアプリでも通話アプリでもビデオ通話アプリでもなく「コミュニケーションアプリ」なのか。
それは、discordがチャット機能、音声通話、ビデオ通話といった機能をひと通り備えているためです。
どれが主たる機能ということもありません。
目的はコミュニケーション一択、そのためならば、あらゆる機能が追加される余地がある。
それがコミュニケーションアプリです。
「LINE」「Skype」「Zoom」等をご存知であれば、それらを良いとこ取りしたアプリと言うと分かりやすいでしょうか。
近いデザインのアプリとしては、「Microsoft Teams」「Slack」などがあります。
(ビジネス用途では、dicordより圧倒的に有名です)
先述したアプリが似ているようでそれぞれ違う強みを持っているのと同様、discordもまた独自の強みを持っています。
それは「コミュニティとの親和性」、そして「カジュアルさ」です。
◆コミュニティとの親和性
discordは、LINEやSkypeのように1体1の関係をベースにはしていません。
代わりに、サーバーと呼ばれる「コミュニティ」をベースにやり取りを行います。
このサーバーは従来のチャットアプリにおける「部屋」「グループ」のようなものです。
自身で作成するか、すでに参加しているユーザーに招待されることで参加できます。
(公開サーバーという誰でも参加できるサーバーもありますが、それはいったん省略します)
discordのユニークな点は、このサーバーの中に複数のテキストチャンネル、
そして複数のボイスチャンネルを備えていることにあります。
従来のチャットアプリでは、グループの中にタイムライン(チャットの流れ)はひとつしかありません。
discordでは、このタイムラインを話題別にいくらでも作成できます。
また、このトークのタイムラインを、discordではテキストチャンネルと呼びます。
例えば上記の画像、右のdiscord画面イメージをご覧ください。
「地元の友達」という名前のサーバーがあります。
そしてその中に、「雑談1」「雑談2」「スポーツ」「映画」という4つのテキストチャンネルがあります。
(ボイスチャンネルは後ほど説明します)
「地元の友達」サーバーのメンバーはA、B、C、D。もちろん全員が地元の友人です。
アプリを開いているユーザー、つまりあなたはCになります。
4人が雑談したい時には「雑談1」を、スポーツの話をしたい時には「スポーツ」を、映画なら「映画」を使います。
雑談中に別の話題を話したいときは「雑談2」を使い、ゲームの話がしたくなったら「ゲーム」を作るのもいいでしょう。
discordでは、ブラウザのタブを切り替える感覚でトークを切り替えることができるのです。
もちろん、上記の画像では省略しましたが、サーバー自体の表示も簡単に切替可能です。
さて、同じことを従来のアプリでやろうとするとどうなるでしょうか。
3人を誘って雑談用のグループを作り、3人を誘って映画用のグループを作り、
3人を誘ってスポーツ用のグループを作り......
想像するだけで億劫ですね。
discordはそうした手間がありません。
なぜならベースになるのは話題ではなく、「コミュニティ」だからです。
discordでは、地元の友達(サーバー)の中に、会話(チャンネル)が存在するという考え方なのです。
discordのこうした思想は、プライベートなコミュニケーションにおいて非常に便利なものです。
1体1の距離が近すぎるコミュニケーションでもなければ、話題の広がりにも制約がありません。
「そこに行けば仲のいい"誰か"がいる」
「何を話してもいい」
これは現実におけるプライベートなコミュニケーションに近しいものだと言えるのではないでしょうか。
◆ソファに腰掛ける感覚で使える、カジュアルな通話
先ほどはテキストチャンネルを例として説明しましたが、
discordサーバーにはボイスチャンネルを作ることもできます。
ボイスチャンネルは、「ボイス」の名の通り通話機能です。
今日において通話できるアプリなど珍しくもありません。
しかしdiscordの面白いところは、やはり通話も「コミュニティ」をベースにしているところです。
discordのボイスチャンネルは、通話の開始時に呼び出しを行いません。
ボイスチャンネルをアクティブにすれば、直ちに他のアクティブなユーザーと通話が始まります。
参加している全員が全員を相手に喋る、グループ通話です。
グループ通話機能は「LINE」や「Skype」は勿論、通話機能を備えたアプリなら必ずと言っていいほど備わっています。
しかし、一般的なグループ通話では、通話を始めるために呼び出しを行う必要があります。
そのため、気軽な通話......というには少し気兼ねがあります。
「ちょっと暇だから、暇な奴がいれば雑談したい」
そんな思い付きで度々呼び出しをやっていれば、そのうち通話する友人はいなくなってしまいますよね?discordはそういう気兼ねがありません。
暇ならボイスチャンネルに繋いでおけば、同じく暇な友人がやってきます。
通話が始まったからといって、無理に話す必要すらありません。
リビングでソファに座るような感覚で通話を始め、友人たちが雑談しているのをテレビを見ながら聞いている......
という程度の使い方もできるのです。
もちろん、画面共有やビデオ通話機能も備えています。
discordは元々ゲームプレイヤー向けのアプリですので、特に画面共有に関する性能や使い勝手は非常に優秀です。
共有範囲のトリミング、アプリ単位の共有、多人数の同時共有と同時視聴、etc......
「Windows Teams」「Zoom」等の業務向けのツールに比較すると使い勝手がカジュアルすぎますが、
プライベートでの使用のみ考えるならば、むしろそれは利点と言えるかもしれません。
◆おわりに
discordはビジネス用途には向いていません。
あまりにも気楽で、開かれ、カジュアルすぎるためです。
まず、ユーザー管理の概念が存在しないため、ユーザーがサーバー外で他ユーザーを管理できません。
管理できるのは、自身が管理するサーバー内でどのような権限を与えるかという点のみ。
外でどんなサーバーに参加しているかも感知できません。
当然、持ち出された情報の追跡もできません。
(ただし、discordサーバー内に限れば、他アプリに比べ非常に詳細で厳格な権限設定が可能です)
加えて「Slack」「chatwork」「Microsoft Teams」のようなチーム管理やタスク管理、
カレンダー、リマインダー、Officeとの連携といったビジネス支援機能が存在しないため、
ビジネスで使用するには他アプリに比べ少々魅力が欠けています。
そんなdiscordですが、こうした欠点は徹底してプライベートに特化したデザインになっているが故であり、
カジュアルさという利点と表裏一体のものです。
プライベートな場で無目的にコミュニケーションを行い、誰かと交流を深めたいならば、
他と比較して頭ひとつ抜けた使い勝手の良さを持っています。
興味がありましたら、ぜひサーバーを立ち上げ、友人と気楽に通話してみてはどうでしょう。
※ちなみに招待URLがSNSで公開されているサーバーや、招待なしで参加できる公開サーバーも多数存在します。
内容はゲームやスポーツ、テクノロジー、トレーディングなど様々で、数万人が参加している大規模なものあります。
自身で立てずに、そちらに参加するのも良いかもしれません。