年間10万枚の紙のコストを削減
役場のDX化にスマートセッションを活用
- 自治体名
- 東栄町役場
- 自治体URL
- http://www.town.toei.aichi.jp/
愛知県の北東部に位置し、自然あふれる豊かな山林に囲まれた場所にある人口約3千人の町「東栄町」。この町の行政サービスを担う東栄町役場では、議会で使われる議案資料や、役場内の各会議で多くの紙を印刷しており、印刷コストや、会議直前の差し替えが多く発生することによる職員の業務負担に頭を悩ませていた。
今回、日本インフォメーションが提供するスマートセッションを導入したことで、大幅な業務改善に成功したようだが、どのような会議で運用され、具体的にどういった効果があったのか、総務課企画係長の荒河氏と主事の市野瀬氏に話を伺った。
導入前の課題
- 議会、役場内の会議で大量の資料の印刷と差し替えに伴う職員の業務負担に頭を 悩ませていた
- 広報誌の校正業務にあたり、印刷、各職員からの指摘、回収、修正の繰り返しが多かった
- ペーパーレス会議システム導入後も、紙を用いた会議と併用する必要があった
導入後の効果
- 年間約10万枚の紙のコスト削減と、職員の業務負担を大幅に軽減できた
- 共同メモ機能の利用で、各職員の指摘を一箇所のデータにまとめることができるようになり、不要な印刷をなくし作業の効率化に繋がった
- メモ書きした資料を容易にダウンロードが出来たため、紙での運用が必要な会議とシームレスに連携が取れた
役場内の会議からペーパーレス化
現在、東栄町役場では、係長以上にiPadを配布し、役場内の会議でスマートセッションを運用している。
当初は、議会での大量の紙の印刷や差し替えに伴う職員の業務負担を減らすべくペーパーレス会議システムを検討していたが、執行部が行う役場内の会議でも同様の課題を持っていたことと、議会での導入には、様々な課題をクリアしなければならなかった為、先ずは、役場内の会議を中心に、ペーパーレス会議システムの導入を行った。
大幅な印刷コストカットの削減と職員の業務負担を軽減
「指名審査会」「予算査定」「課長会」といった役場内の会議では、大量の紙を印刷する必要があった。
指名審査会では、入札参加資格の登録資料や業者の実績に関する資料を印刷し、会議関係者に配布。一度の会議で350枚ほどを印刷し、年間では約1万枚の印刷がされていたという。予算査定では、当初予算の作成にあたり、見積や積算書、予算要求書等の資料を印刷し、会議を行っていたが、数字の変更や修正に伴う資料の差し替えが多く発生することから、印刷のやり直しや再配布といった負担が職員に重くのしかかっていたようだ。
「スマートセッションを導入したことで、大幅な印刷コストの削減と職員の事務負担を軽減することができました。」と市野瀬氏は語る。それ以外の会議も含めると、年間で10万枚ほどの資料を印刷していたが、スマートセッションの導入で、そのほとんどの印刷コストを削減できたという。
広報誌の校正業務を"共同メモ機能"で効率化
東栄町役場では、毎月一日に、町民や関係機関向けに広報誌を発行しているが、発行前の校正業務にあたっては特に労力を要していた。校正は、副町長はじめ、約6名の職員で行うというが、担当者が印刷した入稿用の広報誌に対して、各々がペンやマジックで修正案を書き込んだものを、回収、修正、印刷の繰り返しだったようだ。
「スマートセッションの"共同メモ機能"を利用することで、それぞれの校正者が共有のメモとして指摘を残すことができますので、担当者は、どんな指摘があったのかをまとめて一つのデータとして確認することができるようになりました。また、他の人の指摘がスマートセッション上に残されているため、重複した指摘もなくなり、とても作業の効率化に繋がっていると実感しています。」(荒河氏)
また、ピンチインピンチアウトで資料全体を拡大・縮小するのではなく、資料の一部のみを拡大し、その中に、小さな文字を書くことができる"拡大鏡手書き機能"を活用することで、iPadでも、違和感なく、より効率的な作業ができているという。
導入の決め手はメモ書き資料のダウンロードのしやすさ
スマートセッションを選定した最大の決め手は、意外にも、会議終了後に個人がメモ書きした資料を取り出すダウンロードのしやすさとのことだ。その理由を、荒河氏は次のように語る。
「iPadが係長以上にしか配られていないことや、自治体内のネットワーク環境等の事情もあり、まだ、紙での共有が必要な会議体はどうしても存在します。そのため、ある会議でペーパーレス会議システムを利用してメモ書きされた資料を、別の会議で紙の資料として利用するケースも想定する必要がありましたので、ダウンロード機能は必須でした。スマートセッションは、他社の製品に比べてダウンロードがとてもしやすく、かゆい所に手が届くようなシステムでした。」
現在、東栄町役場ではスマートセッションを導入して一年ほど経つが、「シンプルな操作性ゆえに、実際に会議に参加される方から操作の仕方が分からないといった類の問い合わせは一度もありませんでした。」と市野瀬氏は高く評価する。
議会でのスマートセッションの活用を視野に
今後、スマートセッションの活用について、「課題はありますが、議会での導入が一番早く見込まれるのではないかと思います。当初、議会での導入が見送られた理由の一つに、システムと実際の紙とでの運用のギャップについて懸念がされていましたが、スマートセッションは、とてもシンプルで直感的な操作性を実現しているため、議会でも使用される日は近いのではないかと感じます。」と、荒河氏は期待を寄せている。
東栄町のご紹介
東栄町は、人口約3千人、愛知県の北東部に位置し、豊かな山林に囲まれた自然があふれる町。 夏の夜にはホタルが舞い、夜空には満天の星が広がる。 国の重要無形民俗文化財「花祭」が、親から子へ、子から孫へと大切に伝承されてきた。 そんな、自然豊かな東栄町で行政のサービスを提供しています。
※掲載内容は取材当時のものです。