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スマートセッション開発秘話


日本インフォメーションのペーパーレス会議システム「スマートセッション」は10年を超える販売実績があり、多くのお客様にご愛用いただいております。

その立役者となったのがサービス開発部門の 纐纈 こうけつ さんです。
今回は、そのスマートセッションの開発の裏側を聞きたいと思います。

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NEXT 事業部 スペシャリスト
纐纈 こうけつ 健太 けんた

  • 2005年入社、自社製品開発立ち上げ当初から参加
  • 2010年自社製品「Ebooklet2」開発、2011年「スマートセッション」開発
  • 高校時代に経済産業省主催の全国高校生・専門学生プログラミングコンテストで入賞
  • モットーは「今、作れるものを、全力で作る」

スマートセッションとはどのようなシステムなのでしょうか?

スマートセッションはセキュリティを確保した上で誰もが直感的に利用できるペーパーレス会議システムです。
スマートセッションを導入することで、DX推進の第一歩である会議のペーパーレス化を簡単に実現することができます。

会議以外にも活用できる場面はありますか?

はい、会議以外にも、採用・テスト、セミナー・研修、株主総会、面接、商談・打ち合わせなど今まで紙資料を使っていた様々な場面で活用していただけます。
例えば、セミナー・研修では講師のページ操作に合わせて受講生の資料をページ同期することができます。
また、受講生は各自、自由に資料を操作したり、メモを残すことも可能です。セミナーに関しては前後に効果測定を行い、研修の理解度を調べることができます。

なるほど、様々なシーンで使えて便利そうですね。スマートセッションはどのようにして生まれたのですか?

スマートセッションは、2010年に当時の社長から「会社案内をiPadを使ってやれないか」という要望で開発した電子プレゼンテーションカタログシステム「EBooklet2」という前身となるアプリを開発したことがきっかけとなり誕生しました。
当初、EBooklet2のメイン機能はページ同期機能でした。EBooklet2を某大学病院に見せたところ、アプリ自体は好評でしたが、「多人数で使うことができれば会議でも利用できそうですね」というアドバイスをいただきました。
そこで、多くの端末が接続可能なバージョンを作り、それがスマートセッションとなってリリースされることになりました。

スマートセッションは顧客要望から生まれたのですね。その後スマートセッションはどのように進化していったのですか?

次に某テレビ局に提案する機会がありました。「会議中にiPadで書いたメモを自席のPCから見れるようにしたい」という声があがったため、MyFolderという機能を追加しました。
MyFolderは、メモや資料を自分のPCやクラウドに保存して見ることができる機能です。自社内のファイルサーバーに保存する設定も可能(オンプレミス版のみ)なので、自由度の高い使い方ができます。

MyFolderも使いやすそうですね。スマートセッションはお客さんのニーズに応えて進化してきたことがよく分かります。


初導入時の感想

スマートセッションを初めて導入したときのことを教えてください。どんな気持ちでしたか?

正直、あまり覚えていないんです。導入は無事に終わりましたが、それで終わりではないと思っていましたから。

終わりではないというと、どういうことですか?

導入=ゴールではないという気持ちが強かったです。 最も重要なのは「スマートセッションが導入先の業務にどれだけ貢献できるか、今後どうやって改善していくか」だと考えていました。

なるほど。喜びよりも「さらに気を引き締めなくては」といった思いだったのですね。 では、スマートセッションを作って良かったと思えたのは どんなときだったのでしょうか?

そうですね。導入した後、お客様と食事をご一緒する機会がありました。そのとき、スマートセッションの使い勝手や性能を絶賛していただき、本当に嬉しかったです。
そこで初めて、「スマートセッションを作って良かった」と思いましたね。
その後、開発を続けていく中で、導入したお客様から「なくてはならない重要なシステムです」と言っていただけるようになりました。
お客様からの声は、今でも私がシステムを作る原動力となっています。


こだわり

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スマートセッションの開発において、特にこだわった点はなんですか?

コードの書き方には非常にこだわりました。
例えば、スマートセッションには通常モードとシンプルモードという2つのモードがありますが、通常モードに機能を追加すると自動でシンプルモードにも反映されるような仕組みにしました。
これは、コードの共通化や抽象化を行うことで実現しています。

なるほど。それはどのようなメリットがありますか?

モジュールを再利用することができ、バグの修正や改善も一箇所で済むようになります。つまり、これによって開発効率や保守性を高めることができるんです。


独自の強み

スマートセッションに他社にはない強みとも言えるような機能はありますか?

はい。いくつかありますが、特にオススメなのが行列固定です。pdfや画像に使えて、特に細かい表を使った資料を見るのに便利な機能です。エクセルの行列固定のように行と列を固定したままスクロールすることができます。

画像でも使えるのはすごいですね。とても見やすそうです。この機能はどのようなデバイスで使えるのですか?

iPadでも使えますし、web版もリリースしているため、PCでも利用できます。iPadは性能がいいので、快適に動かせますが、web版は制約が多かったため、最適化し、効率的に動くように工夫する必要がありました。

どのような工夫をする必要があったのですか?

例えば、一度描画した部分の再利用や、メモリ・処理速度の節約です。軽快に動くように細かい配慮を散りばめました。
これは自分のこだわりの部分でもあります。

なるほど。細部までこだわった機能ということですね。

そうですね。行列固定は高度な座標計算を行うなど、かなり複雑で細かい制御が必要なので、苦労して作成した機能のひとつです。


便利さと簡単さの両立

機能を増やしたからこその便利さと、簡単さの両立は難しそうですが、両立のために意識していることはありますか?

私は、スマートセッションを使う人目線で考えて、この機能は表示するべきなのか隠しておくべきなのか、機能ごとに意識しています。

せっかく作った機能を隠してしまうのですか?

すべての機能が1つの画面に表示されていると、ユーザーはどのボタンを押せばいいのか、戸惑ってしまいます。
そのため、ユーザーが使いやすく、分かりやすく、快適に感じるように、よく使われる機能は使いやすい場所に置きます。
反対に、専門性が高く、マイナーな機能は隠します。また、ユーザーが求める情報を優先的に表示したり、不要な情報は省略したりします。
さらに、ユーザーが操作しやすいように、ボタンの大きさや色なども調整します。

様々な機能を使いたい人にとって便利に使えるシステムでありながら、最低限で事足りる人にとっても、シンプルで使いやすいものにする。絶妙のバランスなのですね。

そうですね。ユーザーの満足度を最大化できるように、ニーズや感情を理解し、それに応えるようなシステムを作ることが必要だと思っています。


開発の苦悩

開発していく中でどのような苦悩がありましたか?

できればセキュリティに関係なく自由なものを作りたいのですが、インターネットが便利になった今、悪意のある攻撃者から自分たちのシステムを守る必要が出てきました。
スマートセッションはクラウドサービスとしても提供していますから、セキュリティには特に気をつけなくてはなりません。

セキュリティに気をつけるとはどういうことですか?

例えば、鍵がかかった家があったとします。この家は元々防犯対策が万全でしたが、新たに外の景色が見える窓(機能)を作ることにしました。
しかし、窓を作るということは、ガラスを割れば簡単に進入できる経路(脆弱性)を用意してしまうのと同じ意味になります。
そのため、窓を作りたいならどのような脅威があるのか検討し、事前に対策しておかなくてはなりません。

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なるほど。セキュリティにもそういった脅威がないか、常に注意深く考えながら開発しているということですね。

そうです。世の中で当たり前に使われている仕組みでも「本当に安全なのか?」と疑ってかかるようにしています。さまざまなルートから最新の情報、知識を常に仕入れています。

例えばどんな情報ですか?

例えば、オープンソースのソフトウェアの情報ですね。オープンソースは、多くの人が使っているから安全だと思われがちですが、実は致命的な脆弱性がある場合もあります。 去年話題になったlog4Jがそうでした。

スマートセッションではlog4Jを使っていたのですか?

いえ、使っていません。使おうとしたことはありましたが、機能が必要以上に多すぎるのではないか?と警戒してやめました。
一般的に、システムは多機能なものほど穴があることが多いとされています。
スマートセッションではそういった脆弱性を回避するため、なるべくシンプルなものを取り入れるようにしています。

どのようにしてシンプルなものだと判断しているのですか?

オープンソースの公開されているサイトでどのような機能があるかを調べることができるので、そこから判断します。
さらに、ソースコード自体も読むことで内容を詳細まで理解すると共に、保守性まで考慮して利用するかどうか検討しています。

便利だからと簡単に取り入れるのではなく、内容をよく確認し、先々のことまで考えて判断されているのですね。


今後の展望

これからどのようなことをやっていきたいですか?

時代の変化に合わせてバージョンアップを続けていきたいと考えています。
これまでもスマートセッションは、ユーザーのニーズや環境の変化に応じて、常に機能を更新してきました。
最近だと、今年(2023年)の4月にSAML認証連携オプションというものをリリースしています。

SAML認証連携オプションとはどのような機能ですか?

SAML認証連携オプションとは、簡単に言うと、お客様の会社で既に導入されている認証基盤と連携させて、ログインを簡略化しつつも、これまで以上にセキュリティを高めることができる機能です。
利便性と安全性を両立できますから、今後の情報社会において、重要な機能になると思います。

そうなんですね。そのほかにも追加される機能はありますか?

はい、もちろんです。どんな機能かはリリースまで秘密ですが、今後も、アフターコロナで変わってきた働き方に合わせて、スマートセッションで取り入れられる部分があれば取り入れていきたいと思っています。

どんなにITが発達しても人が操作する限り、使っている方々の意見や感想があります。弊社のスマートセッションは「読む」「書く」「記憶する」という本質に対して、 できるだけ自然でわかりやすく、簡単に操作できることを目指し、セキュリティ面でも安心してご利用いただけるように今後も開発していきたいと思います。 是非、無料トライアルで体感してください。


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